寄付コラム

【コラム】「クラウドファンディングって?」その2

クラウドファンディング(以下CFと略)で資金調達に成功した「NPO子どものまち」の
代表・山本香菜子(やまもとかなこ)さんを取材しました。


Q:なぜCFを利用したのですか?
A:活動拠点の中志津中央商店街の「まちの縁側」が売却されることになり、
  購入資金をなんとか確保したいと思いCFを考えました。

Q:CF運営会社の選択はどうしましたか?
A:子ども、地域活動の実績が多い「READYFOR(レディフォー)」をえらびました。
  但し、手数料17%。さらに成功報酬型であるため、達成しないと“ゼロ”に
  なってしまうリスクはありました。

Q:目標額の達成には、どんな努力をしましたか?
A:ホームページ、フェイスブックなどを利用してのPR、名刺交換をした人たちへ
  直接コンタクトをとったり、やれることはすべてやりました。金額は、3千円から
  30万円までの区切りで、リターン(お礼の品)は、子ども達のサンクスレター
  (ドリンク券付き)の他、1万円以上には、まちの縁側一口家主、子ども達の
  手作りコースター、など金額に応じて色々組み合わせをしました。

Q:結果はどうでしたか?
A:2ヶ月で目標額200万円。支援者は代行して入金した人を含むと113人で達成しました!! 
  支援者は、約70%が知人、30%がネット等で知り合った方々でした。

Q:CFを達成して、感じたことはなんでしょう?
A:自分たちの活動のPRを通じてたくさんの方と関われたこと、“あしながおじさん”のような人々に
  たくさん出会えたことです。

Q:これからの課題はありますか?
A:場所を購入するためには、あと350万ほど不足ですが、今後は募金など違う形で
  資金集めをするつもりです。


これからまだまだやらなくてはいけない課題がありますが、
新たな活動の大きなステップになったということです。


通信2015年7月号P2(ミニコラム ちばさぽの風 vol.8)転載
2015/07/21

【コラム】「クラウドファンディングって?」その1

クラウド(crowd)は「群衆」、ファンディング(funding)は
「資金調達」のことなんです。つまり、銀行などからお金を借りずに、
インターネットを通じてたくさんの人からお金を集めるしくみのことです。
この言葉をはじめて聞いた方は「そんなことホントにできるの?」と思うでしょう。

A:渋谷に夜の図書館をつくりたい
B:農薬や肥料を使わず、より安全な野菜を栽培できるようになりたい
C:1枚の紙で世界を救う~アフリカにバナナペーパー工場を~

この3つともこの「クラウドファンディング」(以下CFと略)を使って
目標の資金を集めて、夢を実現しています。

Aの目標額は10万円。集まった金額は、目標額の95.3倍の953万円。
これは最も成功した例で、集めるのに費やした日数は、たったの2日間。
多くの人の共感を得たのがその最大の理由です。では、自分や自分の団体が
実際にやってみるにはどうしたらいいでしょうか?

①プロジェクト設定
    ↓
② CF運営会社に申し込み
    ↓
③ CF会社が審査
    ↓
④ 詳細を作成
    ↓
⑤ CFサイトに掲載
    ↓
⑥ 目標額で企画実現

となります。

プロジェクト掲載は無料ですが、目標額を達成した場合は達成額の10%~20%の
手数料をCFサイトに払います。資金を支援してくれた人に「リターン」という物品などの
見返りを渡すことも多いそうです。ただサイトにのせるだけでは、成功しそうにもありません。
魅力的なサイトをつくることも大事ですし、プロジェクトを知ってもらうために、
積極的な宣伝活動も必要になるでしょう。成功には、それだけの苦労も伴うでしょうが、
興味をもったら、さっそく調べてみませんか?

※参考になる本
「クラウドファンディングで夢をかなえる本」(ダイヤモンド社)
(千葉市民活動支援センターの図書コーナーにあります。)
        
通信2015年5月号P2(ミニコラム ちばさぽの風 vol.7)転載
2015/07/21

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第6回】

寄付を受ける事こそが使命と考えて                IMG_1029

寄付について考えて来たシリーズ、最終回は寄付の意義を改めて考えてみます。

日本社会は寄付そのものに慣れていません。戦後、心付けやチップの習慣がなくなったため、お金を渡すことに照れがあります。武家社会以来の商いや金銭を卑む意識も残り、寄付に偽善的なイメージを持つ人もいます。自己アピールに利用する人もいる一方で、寄付は名を伏せるのが美徳という考えもあります。寄付した金額の行方についてきちんと報告を求める習慣も、根づいていません。

このシリーズでは一貫して、寄付行為は団体を育てるツールであるとし、また団体や人を育てる「投資」としての側面についても言及しました。が、寄付の一番重要な鍵は、寄付する側とされる側との間の健全な関係の作り方にあるでしょう。

ある人が、自分のお金を誰かの何かに役立てたいと明確なイメージを持った時、それに合致する活動への寄付につながります。あるいは活動を見て「自分もこの部分で社会の役に立ちたかったのだ」と気付く人もいるかもしれません。寄付は社会参加の一つのカタチなのです。

市民活動とは、何らか問題を自らが関わって解決し良い社会を作ろうとする行いです。寄付を受けることは、誰しもが、そうした活動に「参加」できる方法を示す、すなわち社会参画の「入口」を広くすることに直結します。こう考えると、寄付のご案内が「おねだり」ではないことが分かります。

寄付とは言わば、大勢の人に「あなたに、こんなチャンスがあります」というお知らせです。素直に伝えて「参加の機会」を差し上げましょう。そのぶん、そうした方々にきちんと報告をすることで、喜びや達成感を共有しましょう。

2014/03/10

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第5回】

多くの人は人の役に立ちたいと気に掛けながらも、チャンスがなくて動けずにいます。「寄付」は、「気に掛っていること」をしてくれる人に金品を託すことによって、自分自身も社会貢献するチャンスを得る、とても身近で便利な仕組みなのです。

従来、人のために働く仕事の多くは、民生委員や保護司のように、ボランティアでありながら「公の組織」からの依頼で活動する形をとっていました。しかし近年高齢、単身などによって「表には現れないが困難や不便を感じている人」が増えてきました。こうした人たちの安心を支えるものこそ、NPO(や市民活動団体)の生活者目線とフットワークの良さではないでしょうか。表現を変えると、今の時代のNPOへの期待は、以下のようにまとめられます。

1、地域の人たちの「痒いところに手が届く」活動。

2、一定の需要があるサービスを「持続的な提供手段を確保し、維持する」こと。

3、楽しみたい人たちの「共通項を見つけ、テーマ共同体をつくる」活動。

4、困っている人たちの「変化を受け止め、手を差し延べる」活動。

5、弱っている人たちの「最後の命綱となれるだけの信頼感」づくり

このうち1~3は地域ビジネスの成立要件そのものですし、3~5は地域コミュニティ再構築の手掛かりとなる事柄。つまりNPOは、地域ビジネスの担い手と地域コミュニティ再建の結び目という両方の役割を期待されているわけです。活動をこうした視点から見つめ直し、「潜在的賛助会員(寄付人)」へのアピールをすることは、どんな意味を持つのかを、次回考えて行きましょう。

2014/01/10

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第4回】

前回のコラムで、寄付や協賛を受けるには活動の実績だけでなく、そこに関わる「人」の質もアピールすべきではと書きました。今回はその続きです。

多くの人から支援を受けるには、その活動に意義があると周囲から広く認識してもらう必要があります。さらに、事業や組織が将来まで持続されるかどうかも大変重要です。どんなに興味深い活動であっても、運営する母体が維持できなければ支援が行き先を失ってしまうからです。つまり、多くの支援者を集めるには、「社会(公益)性」とともに「事業(持続)性」の両立が必要であるということです。

二つの実例をご紹介しましょう。一つは、同じ設置者が同じ名前の株式会社とNPOを並立させているという例。ITの普及と地域の利便、生活の質の向上を目指すという理念のもと、活動内容によって、どちらの組織で行うかを分けています。SNSのシステム開発と運営に伴う「事業」の面は、株式会社で受け持ち、地域の人にシステムの使い方を広めたり、パソコン自体に親しんでもらう活動をNPOが引き受けて、車の両輪のように、地域の利便と交流に貢献しています。

もう一例は、企業とNPOが上手に手を組んだ例です。調査やコンサルティングの専門性を持ち、行政との連携にも実績を重ねた企業と、実際に利用する立場の人たちの声を集めまとめていくことを得意とするNPOが、まちの交通機関について一緒に考える場を持ちました。提供する側や行政の都合だけを伝えるのでなく、また利用する側からの一方的な要求だけを突きつけるのでもない、「共に描ける未来像」を具体化していくことが可能になりました。

2013/11/05

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第3回】

企業に対する評価は業績や株価だけでなく、会社のビジョンや開発・研究の方針が社会のニーズに沿っている等も判断材料とされます。一方NPO法人は業績の良し悪しよりも、誰を支え、誰に支えられているのか、つまり関わる「人」の質と量とが重要な評価基準となります。

事業型のNPO法人は企業と市民活動団体という二つの側面を持っています。ということは、評価に際しても「業績の良し悪し」と「関わる『人』の質と量」の両方の基準ではかられることになります。

企業には、IR(投資家に向けた企業情報の公開)などの業績報告があります。投資家以外の人たちもここから企業について知ることができます。事業型のNPO法人も、関わりのある、あるいは関心を持つ多くの人々に向けた情報公開の仕組みが必要です。その際「業績」だけでなく活動に関わる「人」に関してもアピールすることにより、結果的に事業の公益的側面が明確になってくるのではないでしょうか。

特定非営利活動法人というスタイルを選んだ以上、団体の外部の賛同者や支援者を増やして行くためにも、こうしたアピールは重要です。次回は優れたアピールの事例や、株式会社との棲み分け、連携をしているNPO法人の活躍を取り上げてみたいと思います。

2013/09/20

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第2回】

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと 第2回NPO法人は、株式会社や他の公益法人と違って資本金や基本財産を持たないので、財政的に安定したように見えにくいという特性があります。実績の評価もなかなか難しく、このため事業資金借入などの場面で苦労されている団体も多いことと思います。

基本財産や資本金を持たないNPO法人にとって、賛助会員や寄付会員は寄付収入の源泉です。様々な呼び方がありますが、ここでは「賛助会員」と表記を統一して話を進めます。一般に正会員・準会員・賛助会員等の区別は、定款や会則などで扱いを定めるため、団体によってさまざま。しかしおおまかには「意思決定に参加出来る正会員」と「支援に徹する賛助会員」に大別できると思います。よく見られる例では、賛助会員は活動に直接は関わらず、外側からその団体を (多くの場合は金銭的に)支援する立場をとっています。こうした「名前の分かる(顔の見える)支援者」の獲得は、なにより貴重な活動維持の担保といえるでしょう。

従って団体の外にいる多くの人々に活動の意義を明確に伝え、ミッションへの共感を得ることが、賛助会員の獲得につながり、団体の維持、充実のためにも必須だということになります。しかし活動や理念をきちんと伝え、共感を得るのはそう簡単なことではなく、寄付収入に結びつけるのは更に困難です。

実際に賛助会員や寄付収入を得ている団体の、活動の様子や、他の団体の参考になりそうなノウハウなどをお伝えするのも、私たちプラザのような中間支援施設の役割だと思います。次回はアピールの方法に焦点をあててお伝えしましょう。

2013/07/20

もっと知りたい、活動賛助と寄付のこと【第1回】

正会員の会費や継続的な寄付は、助成金や補助金、事業収入とならんでNPOを支える収入の三本柱といわれています。これは市民活動団体やサークルの場合も同じことですね。助成金やNPOにおける事業収入は変動しやすく、会費や寄付の占める割合が高いほど、組織としての安定度は増すことになります。平成24年にNPO法人に関する制度が大きくかわり、一般企業とNPOとが、形の上でもはっきりと区別されてきました。持続的な「寄付」は、組織に必要なお金を継続的に得られることから、会員が継続的に資金を拠出する会費と同様にNPOの体力を支え、共感を踏まえる限り、会費以上にNPOにとって大切な客体です。このコラムでは、団体に対する寄付について考えていきます。プラザの業務でも、寄付集めに成功している団体を顕彰する企画があるようです。改めて、組織を支える収入について見てゆきましょう。

2013/05/20